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環境問題

 環境用語解説(用語集はこちら)

 
●「地球温暖化」とは?

  太陽からの熱エネルギー(赤外線など)は地表と大気中に吸収され、
 それ以外は宇宙空間に放出され、地球の平均気温は約15℃に保たれています。
 この熱エネルギーの収支バランスを保っているのが熱を吸収・反射しやすい
 二酸化炭素などの「温室効果ガス」です。
 そのはたらきでバランスがうまく取れ、人間や様々な生き物が住みやすい環境に
 なっているのです。
 しかし、「温室効果ガス」は産業の発達や生活様式の変化で増加する一方、
 森林の破壊などでCO2の吸収が減少し、熱エネルギーの収支バランスが崩れ、
 地球の温度がだんだん上昇する現象のことです。

 
■「地球温暖化」の影響
  ・北極や南極の氷が溶け、海面が上昇し、低い土地が水没
  ・洪水や干ばつなどによる、農作物への悪影響
  ・気候変化による生態系の変化、一部種の絶滅
  ・マラリアなどの感染症の拡大

  等があげられています。
  このまま対策をとらなければ、21世紀末には地球の平均気温は1.4度〜5.8度上昇
 すると予測されています。 

 ○地球温暖化対策、できることから始めましょう
  
  毎日の暮らしで使う電気やガス、自動車などから「温室効果ガス」は
 排出されています。
  私たちの身の回りの小さなことから、省エネを心がけることで地球温暖化を
 防ぐことにつながります。
  あなたもできることから取り組んでみましょう。                           

  <買物には買物袋を持参しよう>
   買物袋を持ち歩けばレジ袋を減らせます。

  <冷房は1度高く、暖房は1度低く>
   着るものを工夫したりして冷暖房機に頼らない生活を心がけましょう。

  <無駄なアイドリングはやめよう>
   駐車や長時間停車のときはエンジンを切りましょう。大気汚染物質の排出
 削減にもなります。

  <冷蔵庫の使い方を見直そう>
  冷蔵庫は正しく設置して、ものを詰め込みすぎないようにしましょう。
 季節ごとの温度調節も忘れずに。

  <待機電力を削減しよう>
  長時間使わないときはコンセントを抜いたり 主電源を切りましょう。
 
  <ゴミを出さない生活をこころがけよう>

  <家電製品は省エネタイプのものを選ぼう>

  
●オゾン層

  地球の大気中でオゾンの濃度が高い部分のことで、地上から約20〜50km
 ほどの成層圏に多く存在し、特に地上から20〜25kmの高さで最も密度が高くなる。
  オゾンは、酸素原子が3個結合してできる分子で、人体に有害ですが、
 太陽光線に含まれる有害な紫外線を吸収する働きを持ち地球上の生物を
 守るバリアとなっています。
 しかし、近年、オゾン層破壊物質による破壊が進んでおり、1985年には南極上空で
 オゾン層が破壊されてできたオゾンホールが観測されました。
  2001年、オゾンホールは南極大陸の2倍の面積に達し、日本を含む北半球でも
 オゾン層の減少が観測され、健康や生態系への悪影響が心配されています。

  オゾン層破壊の原因は、主に冷蔵庫やエアコンの冷媒、電子部品の洗浄剤、
 クッションやウレタンなどの発泡剤、スプレーの噴射剤などに広く使用されてきた
 フロンという化学物質。フロン以外にも、消火剤として使われるハロン、
 洗浄剤等に使われているトリクロロエタン、農薬として使われている臭化メチル
 などがあり、これらの物質が大気中に放出され成層圏に達するとオゾン層を
 破壊するのです。 

 
■オゾン層が消失したら?
  有害紫外線(UV-B)が増加し皮膚ガンや白内障の発症が増加したり、
  動植物の生育を阻害したりと、人体や生態系に深刻な影響を及ぼします。

 
■オゾン層破壊を阻止するための取り組み
  1985年の「オゾン層保護のためのウィーン条約」
 1987年の「モントリオール議定書」に日本も加入し
 1988年に「オゾン層保護法」を制定、フロンなど主要なオゾン層
 破壊物質の生産を削減してきました。
  今ではオゾン層を破壊するフロンは使用できなくなり、代替フロンへの
 切り替えも進んでいますが、私たちが使っている冷蔵庫、ルームエアコン
 自動車のエアコンなどの身近な製品の中にまだフロンが
 残っており、廃棄するときにそれが放出されてしまう可能性があります。
 このため、フロンの回収を義務付ける法律が整備されていますので
 みなさんも廃棄する際には積極的に協力しましょう。

  
●ヒートアイランド現象

  自動車の排気ガスやコンクリートやアスファルトなどの輻射熱、
 エアコンの放出する熱が増えたことで、地表面での熱吸収が行なわれずに、
 都市部に熱がたまるという現象のこと。
  等温線を描くと都市部が島の形に似ることから名前がつきました。

  身近な対策として地球温暖化対策と同様の省エネ行動が必要とされ、
 自動車の使用を控えることやオフィスや自宅の庭に緑を植えることなどがあげられます。

  
●クールビズ

  環境省は温室効果ガス削減のためにオフィスの冷房設定温度を28度程度に
 することを広く呼びかけています。
 「クールビズ」とは28度の冷房でも涼しく効率的に働くことが出来るような
 「夏の軽装化」のこと。基本はノーネクタイ、ノー上着。これだけで体感温度は
 2度下がると言われています。


  
●ウォームビズ

  過度に暖房機器に頼らず、寒い時は暖かい格好をして働くビジネススタイルのこと。
 地球温暖化の防止を目的に、環境省が提唱した。具体的な内容は、
  ・秋や冬などにオフィスの暖房設定温度を20℃に設定する
  ・カーディガンなど暖かい服を着る

  
●チームマイナス6%

  深刻な問題となっている地球温暖化。
 この解決のために世界が協力して作った京都議定書が平成17年2月16日に
 発効しました。 世界に約束した日本の目標は、温室効果ガス排出量6%の削減。
 これを実現するための国民的プロジェクト、それがチーム・マイナス6%です。
 次の6つのアクションを提唱しています。

  ・冷房は28度に設定しよう
  ・蛇口はこまめにしめよう
  ・アイドリングをなくそう
  ・エコ製品を選んで買おう
  ・過剰包装を断ろう
  ・コンセントをこまめに抜こう

 HPで参加登録も出来て、楽しく参加できるしくみになっています。
 私たちひとりひとりができることから省エネ活動に取り組めば、目標達成も
 夢ではありません。あなたもやってみませんか?

  
●京都議定書

  世界の国々がいっしょになって対策を進めていくため、1997年に行われた
 「地球温暖化防止京都会議」にて、先進国の温室効果ガス削減目標を、
 2008〜2012年までに1990年のレベルより全体で5%以上削減する
 約束がなされました。これが「京都議定書」です。

  京都議定書では各国の削減目標が定められており、日本は6%の削減を
 約束しています。しかし、世界最大の排出国であるアメリカが、京都議定書に
 参加しない方針を発表。
  また、急成長を続ける中国にも削減義務が課されていないなど、
 地球全体の温室効果ガス削減には、数多くの課題があります。
 日本の排出量は2001年には1990年と比べて約5%上回っており、目標達成には
 約11%も削減しなければならないことになります。

  地球温暖化防止に向けて、行政や産業界だけでなく、私たち自身の
 ライフスタイルも見直す必要があります。
 そうしなければ、いずれ取り返しのつかないことになるかもしれません。

  
●ロハス(LOHAS)

  Lifestyles Of Health And Sustainabilityの頭文字をとった言葉で、
 アメリカで生まれた「地球環境保護と人間の健康を最優先した、
 持続可能なライフスタイル」のこと。
  ロハスな人々とは単に環境に配慮するだけでなく、家族や地球の健康、
 さらには社会の将来にまで関心を持つ人のことを指す。

  
●エコマーク

  環境庁の指導のもとで(財)日本環境協会が実施する
 環境保全型商品推進事業(エコマーク事業)のシンボルとして
 制定されたもので、「私たちの手で地球を、環境を守ろう」という気持ちを
 表現している。
  台所の流し台、水切り用品や廃食用油、再生せっけんなど環境保全に役立つと
 認定された商品につけらています。

  
●間伐・間伐材

  間伐って何?
 杉やヒノキなどの人工林で混みすぎた一部を伐採することで、残った木を太くて
 しっかり成長させることを間伐と呼びます。
 間伐することで根付がよくなるため土砂災害や倒木による被害も少なくなり、
 林の中も明るくなるため草木も育ち、土壌の保全にもなります。
 また、間伐された健全な森林はCO2の吸収を助け酸素を生み出してくれるため、
 地球環境に大いに貢献することになります。

  
■間伐材を使おう
  以前はその太さに応じて建築現場での足場や、川の漁業の梁(やな)、
 養殖漁業用の筏(いかだ)などに利用されていましたが、
  現在では鉄やプラスチックに取って代わられ、間伐材の需要が落ちています。
  2001年4月に施行されたグリーン購入法で間伐材が環境物品として
 位置づけられたことから、リサイクルが進み、同時に森林の保全も進むことが
 期待されています。



  
●ビオトープ

  「生き物」(bios)、「場所」(topos)の合成語で「生き物のすむ場所」という意味の
 ドイツ語。さまざまな植物や動物が暮らし、互いに食べたり食べられたり、
 複雑に関わりあいながら、バランスを保ち自分の力で生きていくことのできる
 自然環境をそなえた場所を指します。
  人工的に生物群の棲息場所となるよう環境を整備した場所のことを正しくは
 ビオガーデンと言うが、この呼称は日本ではあまり浸透しておらず、
 本来のビオトープの意味と混同されがちで誤解を与えている


  
●オーガニック

  有機栽培の意味で、化学合成農薬や化学肥料を使用せず、有機肥料などにより
 土壌の持つ力を活かして栽培する農法のこと。
 1999年に農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)が
 改正されたことにより有機農産物が厳密に定義され、登録認定機関による認証を
 経ないと、「有機」「オーガニック」などと表示できなくなった。


  
●地産地消

  「地元生産−地元消費」の略で、地域で生産された物をその地域で消費すること
 により生産者と消費者の距離を近づけ顔の見える関係をつくり、つながりを深める
 はたらきをもっています。
  生産者にとっては流通ルートの確保・地域経済の活性化につながり、
 消費者にとっては四季折々の新鮮で美味しい食材と共に、食の安心・安全志向を
 満たすといった効果をもたらしてくれます。
  地元で取れるものを大切にするということは伝統的な食文化や特産品など、
 地域の財産を再認識することにもなり、「地産地消」は地域にとってもさまざまな
 効果をもたらしてくれるようです。     

  
●循環型社会

  従来の「大量生産・大量消費・大量廃棄型社会」に代わる、今後目指すべき
 社会像として、政府は2000年に「循環型社会形成推進基本法」を制定。
 環境への負荷を減らすため、自然界から採取する資源をできるだけ少なくし、
 それを有効に使うことによって、廃棄されるものを最小限におさえる社会のこと。
 循環型社会の基本的な方向性を定めるとともに、
  ・リデュース(ごみを出さない)
  ・リユース(再使用する)
  ・リサイクル(再生利用する)
  の3Rを循環型社会の実践的な行動指針とした。
  3Rに「リフューズ(Refuse=ごみになるものを買わない)」を加えて「4R」、
 さらに「リペア(Repair=修理して使う)」を加えて「5R」という場合もある。

  
●グリーン購入

  購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境の事を考え、
 環境負荷ができるだけ小さい製品やサービスを、環境負荷の低減に努める
 事業者から優先して購入することです。
 
  
■家の中でグリーンな商品を見直そう
  ・省エネ度をチェックして購入しよう
  ・充電式電池を活用しよう
  ・長〜く付き合える商品を選ぼう

  
●デポジット制度
  商品の価格に、容器代を預り金(デポジット)として上乗せし、容器を戻した時に、
 その分が払い戻されるしくみです。
 対象容器は、リターナブルびんとされる、ビールびんや日本酒の一升びんなど、
 再利用(リユース)が可能なもの。
 一方、再利用できない容器は、ワンウェイびんと呼ばれています。
 欧米では、すでにガラスびんだけでなく、缶やペットボトルにもこの制度を取り入れ、
 ごみの減量化を進めているようです。
 容器をごみとは考えない。この発想が、ごみの減量、また処理費の節約へ
 つながるのです。
  北九州市でも今年5月から、使い捨ての防止と、再利用の促進に向け、
 市営バスのICバスカードにデポジット制度を導入しています。
 環境にやさしいこの制度、これからもっと注目されるのではないでしょうか。

  
●バイオマスエネルギー

  木材、紙、動物の死骸、プランクトンなどの有機物から得られる
 生物資源エネルギー。
  有機物を利用した循環型エネルギーで、いわゆる再生可能エネルギーのひとつ。
 石油や石炭などの化石資源に対して、「生きた燃料」とも呼ばれ、燃やすことで
 二酸化炭素は出るが、地球規模で見ると、吸収から排出までの正味の排出量は
 ゼロになる。
  使用してもCO2を増やさないエネルギーです。
 薪や動物の糞を燃やすといった単純な利用法から、サトウキビからエタノール
 燃料をつくることや、生ゴミによる発電など、化学的な利用までさまざま。

  
●最近話題のカーシェアリング

  カーシェアリングとは、1台の車を複数の人が共有して、必要なときに利用する
 仕組みです。
  スイスで1980年代に始まったとされ、現在、欧米各国で盛んに利用されています。
  日本でも数年前から、実証実験が行なわれ、サービスも開始されるように
 なりました。
 そのメリットを簡単にご説明すると・・・

  ◇複数で利用するため保有維持費が軽くなり経済的。
  ◇利用毎の料金を意識することで 無駄な走行が減少。
  ◇二酸化炭素(CO2)排出量や大気汚染物質の削減につながり、
   環境への負担が少ない。
  ◇駐車場不足の解消。
  ◇渋滞の緩和をもたらす。

  電気自動車などを共有すればさらにCO2の削減につながり、地球温暖化防止へ
 大きく貢献すると期待されています。

 ※英語の語源から相乗りと混同される場合がありますが、基本的には会員が
 1台の自動車を時分割で利用するもので、相乗りとは異なります。

  
●環境報告書を知っていますか?

  それぞれの会社が、ひとつのものを作るときに、どのくらい環境に負荷を与えて
 いるか、また負荷を与えないためにどんな努力をしているのかということを、
 広く社会に知ってもらうために出している冊子のことです。

  内容は、会社によってさまざまですが、環境省が出している
 「環境報告書ガイドライン」に沿って作っているところが多く、
 その会社の環境問題への取り組み、目標や実績などが
 報告されています。
  2005年4月に施行された環境配慮促進法では、大企業に環境情報の公表を
 努力義務として求めています。

  報告書は、会社に問い合わせるか、またはホームページから入手することが
 できます。みなさんもぜひ手に入れてみてはいかがですか?

  身の回りの会社の環境に対する配慮や取り組みを知って、製品やサービスを
 選ぶようになれば社会は変わっていくかも知れませんね。


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