太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から、南米ペルー沿岸にかけての
広い海域で、海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。
数年に一回の割合で発生します。
大気の東西循環や降水分布が変動し、気圧場が太平洋をはさんで東側と西側で
通常年と逆になるため、太平洋赤道域で吹く東風(貿易風)が弱まり、
西側の暖水域が東へ移動する。
これにより、積乱雲や熱帯低気圧が発生する場所も東に移動し、結果として、
貿易風がさらに弱まることとなる。
この現象は、大気の大循環に影響を及ぼし、干ばつや洪水などの異常気象を
引き起こす例が多い。
日本では長い梅雨が続いて冷夏になる一方、冬は暖冬になりやすく、コメなどの
農作物に被害が出た例がある。
また、ヨーロッパでは夏の多雨による河川の氾濫が起き、
アフリカでは小雨による干ばつなどの被害も発生している。
エルニーニョとはスペイン語で「男の子」を意味する。
その逆で、同じ海域で海面水温の低温が続く現象を、
ラニーニャ現象という(スペイン語で「女の子」の意味)。
|